2021年夏の配信開始以来、大きな話題を呼んでいるイ・ランのサード・アルバム『オオカミが現れた』の韓国盤限定生産LP。
イ・ランの音楽をはじめて聴いたとき、まるで川のようだと思った。満々と水をたたえて、その中で生きているものたちがいて、そしてどこかへ向かって流れているのだ。 いがらしみきお(漫画家)
イ・ランは話す。無理やり隠した心を、希望の見えない世代を、目立たない人を、静かな一日に訪れる哀歓を、泣きたくて泣いたと語る表情を。やさしい声ではっきりと話す。それはイ・ランの話であると同時に誰かの話だ。私は、イ・ランの歌を最後まで歌ったことがない。悲しくて泣きたくなり、口をつぐんでただ歌を聴いているだけだ。この瞬間、黙って生きていた私を見る。他人の声を聞いてはじめて自分がどれほど汚れているかを知る。放っておけば清らかなふりをする泥水の姿で生きていたことを、上がったり下がったりするメロディで向き合う。
イ・ランの歌は聴く者を慰めるようなものではないが、聴いていると自分が真っ先に慰められることになる。このような錯覚が起こるとき、涙ぐんでいた力が私の一日を照らす。明日は自分の顔をよく見よう、死ぬほど悲しいときは死ぬほど泣こうと誓う。過去の私と今日の私が、ともによく生きていくことを望むなど傲慢だろうか。イ・ランの歌が流れる瞬間だけでも、私は欲張りでいたい。「よく聞いていますよ」という言葉は、聞き手がやっと見つけた挨拶だ。よく聞いていると言う気持ちは、だからずっと話してほしいという願いだ。 イム・ジーナ(漫画家/エッセイスト)
2021年冬に韓国ソウルで開催されたレコード・フェアのために製作されたイ・ランのサード・アルバム『オオカミが現れた』の限定LP。枚数に限りがありますので、この機会をどうぞお見逃しなく。オリジナル韓国盤(こちら)と同様のパッケージングで、布張りの板紙でつくった見開きジャケットにブックレット(韓国語原詞掲載)が貼付されています。なお、本盤には歌詞の日本語対訳は掲載されておりません。また、LPの収録時間の関係でCD/配信アルバムとは一部曲順を変更しています。あらかじめご了承ください。
アーティスト:이랑(イ・ラン)
タイトル:늑대가 나타났다(オオカミが現れた)
フォーマット:LP
パッケージ::布張りジャケット(ダブル)/見開きに16Pブックレット貼付(韓国語原詞掲載)
イ・ラン(이랑):韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。2012年にファースト・アルバム『ヨンヨンスン』を、2016年に第14回韓国大衆音楽賞最優秀フォーク楽曲賞を受賞したセカンド・アルバム『神様ごっこ』をリリースして大きな注目を浴びる。その他、柴田聡子との共作盤『ランナウェイ』、ライブ・アルバム『クロミョン〜Lang Lee Live in Tokyo 2018〜』などを発表。さらに、エッセイ集『悲しくてかっこいい人』(2018)や『話し足りなかった日』(2021)、コミック『私が30代になった』(2019)、短編小説集『アヒル命名会議』(2020)を本邦でも上梓し、その真摯で嘘のない言葉やフレンドリーな姿勢=思考が共感を呼んでいる。
SIDE A
1. 늑대가 나타났다(オオカミが現れた)
2. 잘 듣고 있어요(よく聞いていますよ)
3. 환란의 세대(患難の世代)
4. 빵을 먹었어(パンを食べた)
5. 의식적으로 잠을 자야겠다(意識的に眠らないと)
SIDE B
1. 그 아무런 길(何気ない道)
2. 대화(対話)
3. 박강아름(パクカン・アルム)
4. 어떤 이름을 가졌던 사람의 하루를 상상해본다(ある名前を持った人の一日を想像してみる)
5. 환란의 세대(Choir Ver.)(患難の世代(Choir Ver.))