2021年夏の配信開始以来、大きな話題を呼んでいるイ・ランのサード・アルバムのオリジナル韓国バージョン(限定入荷)。
イ・ランの⾳楽をはじめて聴いたとき、まるで川のようだと思った。満々と⽔をたたえて、その中で⽣きているものたちがいて、そしてどこかへ向かって流れているのだ。 いがらしみきお(漫画家)
イ・ランは話す。無理やり隠した⼼を、希望の⾒えない世代を、⽬⽴たない⼈を、静かな⼀⽇に訪れる哀歓を、泣きたくて泣いたと語る表情を。やさしい声ではっきりと話す。それはイ・ランの話であると同時に誰かの話だ。私は、イ・ランの歌を最後まで歌ったことがない。悲しくて泣きたくなり、⼝をつぐんでただ歌を聴いているだけだ。この瞬間、黙って⽣きていた私を⾒る。他⼈の声を聞いてはじめて⾃分がどれほど汚れているかを知る。放っておけば清らかなふりをする泥⽔の姿で⽣きていたことを、上がったり下がったりするメロディで向き合う。
イ・ランの歌は聴く者を慰めるようなものではないが、聴いていると⾃分が真っ先に慰められることになる。このような錯覚が起こるとき、涙ぐんでいた⼒が私の⼀⽇を照らす。明⽇は⾃分の顔をよく⾒よう、死ぬほど悲しいときは死ぬほど泣こうと誓う。過去の私と今⽇の私が、ともによく⽣きていくことを望むなど傲慢だろうか。イ・ランの歌が流れる瞬間だけでも、私は欲張りでいたい。「よく聞いていますよ」という⾔葉は、聞き⼿がやっと⾒つけた挨拶だ。よく聞いていると⾔う気持ちは、だからずっと話してほしいという願いだ。 イム・ジーナ(漫画家/エッセイスト)
日本盤リリースよりひと足早く発売されていたイ・ランのサード・アルバム『オオカミが現れた』の韓国オリジナル盤を若干数ですが取り寄せました。枚数に限りがありますので、この機会をどうぞお見逃しなく。日本盤(こちら)とまた異なるパッケージングで、韓国盤は布張りの板紙でつくった見開きジャケットにCDがセットされ、32Pブックレット(韓国語原詞掲載)が貼付されています。
本盤には歌詞の日本語対訳は掲載されておりませんので、あらかじめご了承ください。
アーティスト:이랑(イ・ラン)
タイトル:늑대가 나타났다(オオカミが現れた)
発売日:2021年9月7日
フォーマット:CD
レーベル:yoursummer(韓国)
パッケージ::布張りジャケット(ダブル)/見開きに32Pブックレット貼付(韓国語原詞掲載)
イ・ラン(이랑):韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。2012年にファースト・アルバム『ヨンヨンスン』を、2016年に第14回韓国大衆音楽賞最優秀フォーク楽曲賞を受賞したセカンド・アルバム『神様ごっこ』をリリースして大きな注目を浴びる。その他、柴田聡子との共作盤『ランナウェイ』、ライブ・アルバム『クロミョン〜Lang Lee Live in Tokyo 2018〜』などを発表。さらに、エッセイ集『悲しくてかっこいい人』(2018)や『話し足りなかった日』(2021)、コミック『私が30代になった』(2019)、短編小説集『アヒル命名会議』(2020)を本邦でも上梓し、その真摯で嘘のない言葉やフレンドリーな姿勢=思考が共感を呼んでいる。
Tracks:
1. 늑대가 나타났다(オオカミが現れた)
2. 대화(対話)
3. 잘 듣고 있어요(よく聞いていますよ)
4. 환란의 세대(患難の世代)
5. 빵을 먹었어(パンを食べた)
6. 의식적으로 잠을 자야겠다(意識的に眠らないと)
7. 그 아무런 길(何気ない道)
8. 박강아름(パクカン・アルム)
9. 어떤 이름을 가졌던 사람의 하루를 상상해본다(ある名前を持った人の一日を想像してみる)
10. 환란의 세대(Choir Ver.)(患難の世代(Choir Ver.))