ダニエレ・ルメールとルチア・パメラの邂逅をテキスト、イメージ、音でつづったドキュメンタリー作品。
人類で唯一、月面でレコーディングをした(とされる)女性アーティスト、ルチア・パメラに親近感を抱いたダニエレ・ルメールが、その後、彼女が2002年に98歳でこの地球を去るまでに温めた家族ぐるみの交流をまとめた40ページの冊子とCDのセット。
蘭アイントホーフェンのファンアッベ美術館で開催された同名タイトルの展覧会ではドキュメンタリー映像なども上映されたようだが、本作はその展示に合わせて出版されたもの。表紙に写るのは晩年のルチア・パメラとダニエレ・ルメール。本文ページにはドキュメンタリーからの画像やルチア・パメラ往時の写真や新聞の記事、ダニエレ・ルメールが描くパメラの絵やどのようにしてダニエレがパメラの音楽そしてパメラ本人と出会ったかについてのテキストで構成され、さらにオーディオ・ドキュメンタリーとも言えそうな付属CDもダニエレの語りと音楽で構成されてとても楽しい仕上がりになっている。
ルチア・パメラ同様にアウトサイダー・ミュージシャン扱いされることもあるダニエレ・ルメールだが、そのイメージとは逆に彼女を駆動させている大きな原動力のひとつにこういった研究熱心さがあることを本作は伝えてくれるだろう。
アーティスト:Danielle Lemaire(ダニエレ・ルメール)
タイトル:Lucia Pamela: The Story of a Document Humain
カタログ番号:Inner Landscapes 2010
発売年:2010年
収録曲数:10曲
ダニエレ・ルメール(Danielle Lemaire):オランダ在住のマルチ・アーティスト。その活動領域は多岐に渡り、その多くを自身のレーベル、インナー・ランドスケープスより発表してきた。1997年以来、ソロ・アーティストとして音楽制作を開始、その音楽には妖精譚のようなチャームがあり、遠い異国の物語を歌いながら、不思議な親近感を呼び寄せる。また、彼女のあやつる愛らしく優しいサウンドは、同時に騒がしくラジカルにも。パフォーマンスの際にはカシオトーンや、鐘やガムランなどの小さな民俗楽器、玩具、エレクトロニクスを使って歌うが、彼女が二度と同じ演奏をすることはない。
Extended Link:
http://home.vianetworks.nl/users/jada/innerlandscapes/home.html